
※イメージ画像です(AIにより生成)
結論から言うと、お正月に犬へ人の食べ物をあげるときは、「基本的に人の料理は与えない」「おせちやお雑煮は、犬の手の届かない場所に置く」「誤食したら、量・時間・様子をメモして、すぐ動物病院に連絡する」の3つを守るのが安全です。年末年始は、人の食べ物が食卓に長く出ている、来客が増える、生活のリズムが変わる、といった理由で、誤食が起きやすい時期です。
この記事では、環境省や東京都の公開情報、ペット保険会社の解説をもとに、お正月の食べ物で注意したいものと、誤食したときの動き方を整理しました。私は獣医師ではありません。あくまで、飼い主の立場で、公開されている情報を整理した内容です。判断に迷ったときは、必ず動物病院に相談してください。
この記事でわかること
- お正月に、犬が口にしやすい食べ物と、避けたいもの
- おせち・お雑煮・お菓子・飲み物で、特に気をつけたいもの
- 犬に与えるときの「量」と「塩分」の考え方
- 来客・食卓での、誤食の予防策
- 誤食してしまったときの対応
- 年末年始の動物病院の確認ポイント
犬に人の食べ物を与えるときの基本
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、犬や猫は人間以上に塩分の摂りすぎに注意が必要で、一般的に、犬や猫が1日に摂る食塩の量は、人間の3分の1程度でよいといわれていると説明されています。人間が普通に食べているハムやソーセージなどを与えると、知らない間に塩分の摂取量が過剰になり、心臓や腎臓に負担をかけてしまうとされています。また、犬は甘いものが好きなため、与えすぎると肥満の原因になるとも説明されています。
東京都の公開情報でも、チョコレートや玉ねぎなど、人間の食べ物でも、ペットが食べることで中毒をはじめ、健康被害を起こし、最悪の場合、死に至ることもあると注意されています。
つまり、お正月の料理は、犬にとって、塩分も、糖分も、脂質も多くなりやすいということです。シニア犬は、特に、心臓・腎臓・肝臓などに負担がかかりやすいため、いっそう気をつけたいところです。
避けたい食べ物
ネギ類(玉ねぎ・長ねぎ・にんにくなど)
ネギ類は、犬の赤血球を壊して、貧血(溶血性貧血)を起こすことがあるとされています。公開情報では、加熱しても、煮汁でも、中毒を起こすことがあり、感受性には個体差があると説明されています。おせちの煮物、お雑煮のだし、すき焼きなどの鍋料理の汁にも、含まれていることがあります。
チョコレート・ココア
環境省のガイドラインでは、犬にチョコレートを与えると、テオブロミンが原因で、嘔吐、下痢、発熱、けいれんの発作などを起こすと説明されています。来客のお土産や、お年賀の菓子、お年玉に添えられたお菓子など、買い置きのチョコレートを、部屋に放置しないように注意が必要とされています。
ぶどう・レーズン
ペット保険会社の解説では、ぶどうやレーズンは、犬が急性の腎障害を起こすことがあると説明されています。中毒の原因となる成分や、中毒を起こす量ははっきりせず、少量でも与えないことが勧められています。お菓子や、パンに入っているレーズンにも、注意が必要です。
キシリトール(ガム・タブレット・一部のお菓子)
キシリトールは、犬が摂取すると、低血糖や、肝臓への影響を起こすことがあるとされています。ガム、タブレット、のど飴、歯みがき粉などに含まれていることがあります。バッグの中のガムを、犬が見つけて食べてしまう事故にも注意が必要です。
アルコール・コーヒー・お茶などの飲み物
環境省のガイドラインでは、コーヒー、緑茶、紅茶などのカフェインを含む飲料を与えると、犬や猫は、下痢、嘔吐、体温の不調、多尿、尿失禁、てんかんの発作などを起こすことがあると説明されています。お酒(アルコール)も、犬には与えないでください。お屠蘇、日本酒、ビール、甘酒(酒粕を使ったもの)などを、床に置いたり、こぼしたりしないように気をつけましょう。
骨・串・竹串・爪楊枝など
魚や鳥の骨は、腸などを傷つけることがあると、公開情報で説明されています。おせちの鯛の骨、焼き鳥の串、爪楊枝、竹串などを、犬が口にすると、のどや消化管を傷つける可能性があります。
「危険」とまではいかなくても、避けたいもの
| 食べ物 | 気をつけたい理由(公開情報にもとづく一般的な目安) |
|---|---|
| かまぼこ・伊達巻・黒豆・栗きんとん | 塩分や糖分が多くなりやすい。与えすぎは肥満や負担のもと |
| 数の子・いくら・ハム・ベーコン・塩ザケ | 塩分が高い。環境省のガイドラインでは、塩分の多い食品の例が挙げられている |
| お餅 | 粘りがあり、のどに詰まらせる危険がある。小さくしても、注意が必要 |
| 揚げ物・脂の多い料理 | 脂質が多く、消化器に負担をかける可能性がある |
| 生の魚介・生卵 | 消化の問題や、細菌のリスクがある。環境省のガイドラインでは、生の魚介や生卵への注意が示されている |
| 香辛料・刺激物 | 犬が好まない傾向があり、胃腸への負担にもなりうる |
お餅は、のどに詰まらせる危険があるため、特に注意してください。シニア犬は、飲み込む力が弱くなっていることもあります。
与えるとしたら?
「お正月だから、少しだけ」と考える方も多いと思います。その場合は、次の点を守ると、リスクを減らせます。
- 味つけ前のものだけにする(塩・しょうゆ・だし・砂糖・みりんなどを使う前)
- 犬に危険な食材(ネギ類など)が含まれていないものだけを選ぶ
- 量は、ほんの少しにとどめる。普段のフードの量を、減らして調整する
- 持病がある犬、食事療法をしている犬には、与える前に動物病院に確認する
- アレルギーがある犬は、特に注意する
例として、環境省のガイドラインでは、犬が好きな食材として、鶏肉、牛肉、豚肉(赤身)、魚肉、卵(加熱)、りんごやなしといった果物などが挙げられています。ただし、これは一般的な傾向であり、愛犬に合うかどうか、与える量は、かかりつけの動物病院に確認してください。専用のフードや、犬用のお正月メニューを使うのも、一つの方法です。
誤食を防ぐ工夫
食卓まわり
- おせちやお雑煮は、犬の届かない高い場所に置く。テーブルの端に置かない
- 食事中は、犬を別の部屋やケージで過ごさせる(落ち着かせる)
- 食べ残しや、落とした食べ物は、すぐに片付ける
- 生ごみ・骨・串は、犬が開けられない蓋つきのごみ箱に捨てる
来客があるとき
- 来客が、犬に食べ物をあげないように、事前に伝えておく
- お土産のお菓子(チョコレートなど)を、犬の届く場所に置かない
- 来客のバッグの中(ガム、お菓子、薬など)に、犬が近づかないようにする
- 玄関の出入りで、犬が脱走しないように気をつける
年始のあいさつ・外出時
- 親戚の家などでは、犬が届く場所に、食べ物やお酒が置かれていないか確認する
- 旅行や帰省で、環境が変わるときは、持ち物(フード、水、常備薬など)を準備する。「老犬旅行の持ち物と準備のポイント」の記事も、参考にしてください。年末年始に、ペットと泊まれる宿を探している方は、「年末年始 ペットと泊まれる宿 関西」「年末年始 ペットと泊まれる宿 伊豆」の記事も、参考になります
誤食したかもしれないときの対応
誤食や、誤食の疑いがあるときは、様子を見ようとせず、早めに動物病院へ連絡するのが基本です。ペット保険会社の解説では、次のような対応が紹介されています。
1. 食べたものと量を確認する
- 何を(食べ物の種類、パッケージ、成分表示)
- どれくらい(量、個数。食べ残しや、残りの数から推定)
- いつ(食べた時刻)
- 犬の様子(嘔吐、下痢、ふらつき、元気がない、など)
2. 動物病院に連絡する
かかりつけの動物病院に、すぐに電話で相談します。夜間や休診日は、夜間・救急の動物病院に連絡します。「いつ、どれくらいの量を、どう食べたのか」と、「犬の今の状態」を伝えます。パッケージや、食べたものの残りがあれば、持参すると役立つ場合があります。
3. 自己判断で、吐かせない
ペット保険会社の解説では、吐かせる処置は、食べた直後で、獣医師が判断した場合に限られると説明されています。食べたものによっては、吐かせることで、かえって危険な場合もあります。自己判断で、塩水などを飲ませて吐かせることは、しないでください。獣医師の指示に従ってください。
4. 症状が出ていなくても、連絡する
中毒の症状は、時間が経ってから出る場合があります。ぶどうやレーズンの場合は、食べて数時間後から症状が出て、その後、急性腎不全になることがあると説明されています。症状が出ていなくても、食べた可能性があれば、連絡してください。
年末年始の動物病院の確認
動物病院の年末年始の休診日や、診療時間は、病院ごとに異なります。公開情報でも、年末年始の休診日は、各病院に問い合わせるよう案内されています。次の点を、年末までに確認しておくと、安心です。
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| かかりつけ医の休診日・診療時間 | 年末年始の日程を、ホームページや電話で確認する |
| 夜間・救急の動物病院 | 自宅や帰省先の近くの病院の場所、電話番号、受付時間を確認する |
| 連絡先のメモ | スマホに登録し、紙でも控えておく |
| 持病・常用薬の確認 | 年末に切れそうな薬があれば、早めに処方を相談する |
| 保険証・診察券 | ペット保険に入っている場合は、保険証券や、連絡先を確認する |
夜間・救急の動物病院には、受診前に、電話で状況を伝えるよう案内している病院もあります。受付時間や、受診の条件は、それぞれの病院の案内を確認してください。
お正月前の、チェックリスト
| 確認すること | OK? |
|---|---|
| おせちなどの置き場所は、犬の届かない場所か | |
| 来客に、犬に食べ物をあげないよう伝えたか | |
| チョコレート・ガム・お酒を、犬の届く場所に置いていないか | |
| 生ごみ・骨・串を、犬が開けられないごみ箱に入れているか | |
| かかりつけの動物病院の、年末年始の診療日を確認したか | |
| 夜間・救急の動物病院の連絡先を、控えたか | |
| 常備薬・フードの在庫を確認したか | |
| 誤食したときの、メモの取り方を家族と共有したか |
よくある質問(FAQ)
Q. おせちの、かまぼこや黒豆を、少しだけあげてもいいですか?
塩分や糖分が多くなりやすいため、基本的には、おすすめしません。与える場合は、ごく少量にとどめ、持病のある犬や、シニア犬の場合は、かかりつけの動物病院に確認してください。
Q. お餅は、あげてもいいですか?
のどに詰まらせる危険があるため、注意が必要です。特に、シニア犬は、飲み込む力が弱くなっていることもあります。基本的には、与えないほうが安全です。
Q. 玉ねぎを少し食べてしまいました。様子を見ていいですか?
様子を見ようとせず、早めに動物病院へ連絡してください。公開情報では、ネギ類は赤血球を壊し、貧血を起こすことがあり、個体差があると説明されています。食べた量、時間、犬の体重を伝えると、相談しやすくなります。
Q. チョコレートを食べてしまいました。何をすればいいですか?
食べたチョコレートの種類(ミルク、ダークなど)、量、時間、犬の体重、様子をメモして、すぐに動物病院に連絡してください。自己判断で、吐かせることは避けてください。
Q. 夜中に誤食に気づきました。
夜間・救急の動物病院に、電話で連絡してください。事前に、近くの夜間・救急の動物病院の連絡先を控えておくと、慌てずに済みます。
Q. 犬用のおせちは、与えても大丈夫ですか?
犬用のおせちや、犬用のお正月メニューは、犬の健康に配慮して作られています。ただし、原材料にアレルゲンが入っていることもあります。給与量や、与え方は、商品の表示を確認し、愛犬の体調と相談してください。
Q. 人の食べ物は、一切あげてはいけませんか?
お正月だからといって、人の食べ物を、特別にあげる必要はありません。愛犬と楽しく過ごす方法は、ほかにもあります。普段のフードの一部を、おやつにしたり、一緒に、いつもより少し長めに散歩したりする方法も、考えられます。
まとめ
- お正月の料理は、犬にとって、塩分・糖分・脂質が多くなりやすい。基本的に、人の料理は与えない
- ネギ類・チョコレート・ぶどう・レーズン・キシリトール・アルコール・カフェインなどは避ける
- お餅や、骨・串は、のどや消化管の事故につながるため、特に注意する
- おせちは犬の届かない場所に置き、来客にも協力してもらう
- 誤食したら、食べたもの・量・時間・様子をメモして、すぐに動物病院に連絡する。自己判断で吐かせない
- 年末までに、かかりつけ医の休診日と、夜間・救急の連絡先を確認しておく
楽しいお正月を、愛犬と一緒に過ごすために、事前の準備が一番の安心につながります。
参考にした公開情報(2026年10月確認)
- 飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~|環境省
- ペットの食事について|東京都保健医療局
- ブドウ中毒|アニコム損保 どうぶつ病気大百科
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